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協議離婚における離婚協議書の作成

離婚が決まったら話し合うこと(子ども編)

  • 親権者
     親権は、①子どもを育てる権利義務(身上監護権)と、②子どもの財産を管理すること(財産管理権)、③子どもの法的な手続きを代理すること(法定代理人)が含まれます。
     親権者は協議離婚の場合、離婚届に記載する必要があります。
  • 養育費
     離婚によって親権の無い親(例えば男性)から親権のある親(例えば女性)に財産分与をしたとしてもそれは夫婦間の財産の取り決めです。親権の無い父親でも、子どもの父親であることに変わりはなく、親としての扶養の義務は残ります。
     子ども家庭庁の令和3年度全国ひとり親世帯等調査では養育費を受け取っている母子世帯は28.1%、同年のひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%ですから、養育費を受け取らないことが子どもに負担をかけることになります。
     養育費を算定する際は「養育費・婚姻費用算定表」(引用:東京家庭裁判所ウェブサイト〔https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html〕)が目安になります。
     離婚時に、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することで、養育費を支払わない相手へ強制執行による差し押さえを実行できます。
  • 親子交流、面会交流、面接交渉
     色々な呼び方がありますが、子どもと別居する親が、子どもと交流することです。子どもと別居する親が子どもに会う機会を設けることで、養育費の支払い率が向上するという話しもあります。また、両親が離婚しても、親子の縁は法的には切れません。

離婚が決まったら話し合うこと(財産編)

  • 財産分与
     財産分与は夫婦が協力して築き上げた財産を分け合うことです。結婚中に共働きの夫婦いずれかの名義で生活費の決済口座や預金口座を作っている場合はその口座が対象になります。妻が専業主婦であり稼ぎが無くとも家事により家庭に貢献している場合、夫の給与所得が財産分与の対象になります。また、結婚後に夫の収入で購入した自宅(不動産)も原則対象になります。
  • 慰謝料
     慰謝料は不貞行為のあった有責当事者(例えば浮気)が、他方に支払うお金です。有責当事者が居ない離婚、例えば単なる性格の不一致による離婚では慰謝料は生じません。
  • 離婚後扶養(離婚後扶助)
     一方が家事に専念していた場合に離婚後に安定した収入を得られるまでの生活費を扶助することです。財産分与に含むこともあります。
  • 年金分割
     年金分割とは、妻が第3号被保険者(主婦)であった期間中の夫(会社員)の厚生年金の保険料納付実績を分割し、妻側の年金に上乗せする制度です。
    「3号分割について」2008年4月以降の婚姻期間は3号分割により夫の厚生年金の保険料納付実績の50%が、妻による手続きだけで妻側の年金に上乗せされます。
    「合意分割について」それ以前の婚姻期間は夫婦の話し合いの合意により割合を定めます。
    『例えば2000年1月に結婚し、2020年12月に離婚する場合』
    ・2000年1月~2008年3月末までの期間は厚生年金の合意分割(離婚協議書を公正証書にして、年金機構へ妻が手続きをする。離婚協議書を作る際に夫婦双方の同意が必要)
    ・2008年4月~2020月12月までの期間は3号分割(年金機構へ妻が手続きをする。夫の同意は不要)
  • 婚姻費用の清算
     婚姻中は別居期間も夫婦でありお互いを扶養する義務があります。例えば長年、夫が会社員で妻が専業主婦であった夫婦が、離婚する直近1年だけ夫が家を出ていき生活費を入れずに別居していたとしましょう。その場合は、直近1年の生活費を無収入の妻が立替えているので、離婚時に清算することも出来ます。

離婚協議書の必要性

 わが国における離婚のうち9割が協議離婚と言われています。その反面、厚生労働省の2016年の調査によるとひとり親家庭の6割が離婚してから養育費を貰っていません。協議離婚ではない離婚、すなわち家庭裁判所が関与する調停離婚や裁判離婚では養育費の話し合いは当然におこなわれます。ここから見えてくるのは協議離婚のうち3分の2にあたるご家庭が、大切な子どもの養育費の話し合いをせずに離婚している実情が見えてきます。
 口頭で養育費のお約束をする場合もあるでしょう。しかし、離婚した後は他人になるのですから契約書を書面で残すのがベストです。

どんな契約書になるの?

 それでは、架空の夫婦を想定し離婚協議書を見てみましょう。設定は夫(会社員)、妻(専業主婦)、未成年の子の家族構成です。夫の不倫(不貞行為)により、夫婦は離婚を決意し、子どもは妻が引き取るという話しになり、離婚協議書を作成することになりました。

  • 第1条(協議離婚) 離婚の合意が書かれている導入部分です。
  • 第2条(親権者及び監護者) 子どもの親権は妻が手にしました。
  • 第3条(養育費) 成人年齢が18歳になりました。しかし、大学進学率は向上し、大学卒業まで養育費を負担するケースも増えつつあります。
  • 第4条(面接交渉) 親子面会は月1回程度と、幅を持たせた含みのある柔軟性のある解釈ができるようになっています。また頻度や場所は、子の福祉が何よりも最優先されるべきです。
  • 第5条(財産分与) 第6条(離婚後の扶助料) 第7条(慰謝料)
     婚姻中に築いた財産の分割である財産分与、専業主婦である妻のための離婚後の扶助料の支払いの記載です。また、今回は夫の不貞行為により慰謝料を支払う合意がなされました。
  • 第8条(年金分割) 結婚時~平成20年3月31日の期間の年金分割が50%で今回は合意しました。
  • 第9条(清算条項) この離婚契約の他にお互いに後から債権債務を主張しずるずると揉め事が起こらないようにするための条文です。
  • 第10条(強制執行認諾) この一文を入れる事により、万が一、養育費や財産分与が支払われない場合でも、裁判手続を経ることなく強制執行が可能となります。

作成のながれ

  1. 面談・ヒアリング
     最初のご相談は夫または妻いずれか片方のみとのお打合せで差し支えございません。ただ、ご依頼時までには両名様の作成の意思確認の面談が必要になります。
  2. ご依頼 おふたり両名様の離婚協議書作成の意思を確認できましたら業務スタートです。
  3. 書類の取得・準備
    戸籍謄本、住民票、印鑑証明などの本人確認書類、財産を確認するための不動産権利証や預金通帳などケースバイケースで資料を準備頂きます。
  4. 文章案の作成・修正
  5. お二人による内容確認
    修正がある場合は修正、確認を繰り返します。
  6. 公証役場にて公証人が公正証書を作成して完成
     公正証書作成日は原則おふたりで公証役場へ行っていただく必要があります。もちろん当職も同席致します。ただし、やむを得ない事情がある場合のみ、例えば夫婦が別居しており遠方などの場合、公証人の判断により片方の代理人出席が認められる場合もございます。

     公正証書は公証人による内容確認や公証役場の混雑により直近日では予約できない事で最低2か月以上はかかります。作成の意思が決まったらお早めのご相談をお待ちしております。

報酬

項目基本報酬
離婚協議書(公正証書原案作成)100,000円(税別)

※公証人手数料や実費は別途

 離婚協議書はそれぞれのご夫婦で、それぞれ内容が異なり、オーダーメイドでお作り致します。初回相談無料お見積り無料お見積りをしても依頼されなくても差し支えございません。是非、お気軽にお問い合わせください。